近年中国人インバウンドは、かつての「爆買い」のようなモノ消費から体験を求める「コト消費」へとシフトしているといわれています。日本でいかに楽しく充実した滞在を楽しんでもらうかが問われる今、景勝地や観光施設などの観光スポットは、そうした「コト消費」のニーズを満たすことができる可能性に満ちています。
観光スポットが効果的に中国人インバウンドを集客するためには、どのような方法が考えられるのでしょうか。その方法を解説します。
1.中国人インバウンドにとっての日本の観光スポットの魅力とは?
観光庁の「訪日外国人の消費動向(平成29年年次報告書)」によれば、訪日中国人の主な来訪目的のうち、77.1%が「観光・レジャー」となっています。
また、日本貿易振興機構(JETRO)が2018年12月に実施した「中国の消費者の日本製品等意識調査」によれば、「日本に旅行したら、何がしたいですか?」の問いに対して、次の順で多い結果となりました。
第1位 買い物 59.8%
第2位 食事 59.7%
第3位 遊園地、テーマパーク、娯楽施設等で遊ぶ 47.9%
第4位 桜鑑賞 44.0%
買い物や食事はやはり基本的な願望のようですが、娯楽・レジャー、桜鑑賞などの観光系も決して少なくありません。
実際に日本を訪れた訪日中国人は、次のように答えています。
「交通が便利で、観光地も安全」
「清潔で便利」
「スタッフが笑顔で歓迎してくれるから嬉しい」
「礼儀正しい」
「子どもや女性に優しい」
これらの内容から、訪日中国人にとって観光スポットそのものの魅力はもちろん、その利便性や安全性、そして接客・接遇面でのレベルの高さが魅力的に感じられていると考えられます。
2.観光スポットが中国人インバウンドを集客するには?
では観光スポットが中国人インバウンドを集客するためには、どのような施策が考えられるのでしょうか。その施策をご紹介します。
2-1.中国人インバウンドが見るサイトに観光スポットの情報を掲載する
中国人インバウンドを集客するのに最も重要なのは、いかに「知ってもらうか」にあります。知ってもらうためには、中国人インバウンドが訪日前によく閲覧するサイトに情報を掲載することが必要不可欠です。
例えば、中国人向け口コミ・レビューサイト「大衆点評」は一つの大きな情報発信手段です。大衆点評は、世界各国の店舗や観光スポットをはじめとした幅広いジャンルの情報と口コミが3,000万件以上掲載されているサイトで、中国政府提供のデータによると、訪日中国人FIT旅行者(個人旅行者)の55%が旅行前に大衆点評のレビューを参考にしていることがわかっています。
このことから、大衆点評のビジネスアカウントを作成し、登録して観光スポットの情報を掲載することで、まずは「知ってもらう」ことが可能です。
2-2.中国人客に観光スポットの口コミをしてもらう
知ってもらったら、次はいかに「そこに訪れることで有意義な時間が過ごせるか、得できるか」を伝えることが重要になります。
かつての「爆買い」を象徴とする「モノ消費」から「コト消費」へ現在はシフトしており、日本の店舗や施設は、より「コト消費」を充実させる必要がある時期にきています。
観光スポットは、まさにコト消費がメインの場所であることから、今後さらにスポットライトが当たる可能性のある施設といえます。
競合他社に勝ち、中国人インバウンドに選んでもらうためには「良い体験ができる」という口コミをしてもらうことが重要になってきます。
ここでも「大衆点評」が役に立ちます。大衆点評では、悪意のある口コミや嘘の口コミなどを厳しくチェックしており、不正対策にも力を入れています。そのため、ユーザーは信頼の置ける情報が掲載されているサイトとして重宝しています。
そうした大衆点評に登録し、中国人インバウンドが興味関心を持ちそうな情報を掲載することで良い口コミも増えることでしょう。
2-3.特典付き入場チケット情報を掲載する
大衆点評では、店舗や施設、スポットの情報が掲載されているだけでなく、各種クーポンなどの割引情報や入場チケットなども多数掲載されており、多くのユーザーに利用されています。
特に観光スポットは、特典付きの入場チケットを大衆点評で案内することで入場チケットの販売促進につながります。
訪日前に決済完了することもできるため、当日の決済対応も不要になることでトラブル予防にもつながります。
3.まとめ
観光スポットは昨今の中国人インバウンドの「コト消費」への関心の高まりから、集客のチャンスがあるということ。そのためには、まず「知ってもらう」こと。そしていかに「楽しく、充実した得する場所」であるかを訴求すること。そして事前に特典付き入場チケットなどの決済を促すこと。これらがポイントになります。